2004/05/29

水冷ユニット RESERATOR-1 レポート

  1. 動機

    部屋が狭いからコンパクトPC、でも最新のCPU&最新グラフィックボードでバリバリと超快適にFF11を遊びたい!とわがまま放題で思いついたパーツを買い漁り組んだMy New PC・・・しかしその夢はPentium4 Prescottコアの膨大なまでの発熱量と、それを冷やそうとするCPUクーラーの懸命な回転によって生み出される騒音によって脆くも崩れ去ってしまったのでした。
    実際あんな音してたら落ち着いてゲーム遊んでなんていられません。

    CPUを買い換える?・・・2Gクラスでも負荷をかければファンは回りまくる。
    静音ファンにする?・・・本当に静かな物はリテール品+10cmくらいの高さが必要。当然ミニケースには入りません。
    こうなったら最低でもケースを買い換えるなりして、活路を見出さなくては・・・
    部屋が狭い問題についてはこれでもう吹っ切れました。ある程度のスペースが必要になることは分かったし、もうしかたない。ちょっと片付けて、広くしよう!

    そんなことを考えつつ、冷却ファンというものをいろいろ探してみたんだけど、どんなに静かでもPrescott対応の時点で20dBくらいなんです。
    しかもいくら軽減されていても、軸音、振動、風きり音といろんな要素から音が出てくることが予想できるし、それらの要素はファンにホコリがついたりすることによってどんどん拡大していきます。
    でかいケースにして静音ファンをつけたところで、熱と音についての問題が付きまとうことになるでしょう・・・
    まいったなぁ、MicroATXでPentiumMの乗るマザーでも探そうかしら。でも結局新品のCPUとマザーが無駄になるなぁ。

    いろいろと自作PCのサイトを見て回っても、やはり静音については皆さん苦労されているようです。そこでたまたま見かけて思い出したのが“水冷”。
    会社に置いてあったDOS/V Power Reportの4月号で水冷システム特集が組まれていて、「こんなの作る人いるのか~、大変だなー」とか完全に他人事っぽく言いながら見ていたんだけど、アレを使えばかなり静音化できるんじゃないの?と思ってしまったわけです。

    しかも、ホースとかポンプとか見てると楽しい気分に!(w
    これはある意味水遊びというかなんというか。ちょっと大変そうだけど、いっちょためしてみるか。
  2. 選定

    一口に水冷といってもいろんなものがあります。『水冷フォーラム』なる団体が起ち上がって規格の策定に入っているようですが、現状いろいろな会社が専用の部品を勝手に作って売っているようです。その中から目的に合ったものを探さなければなりません。

    とは言え、水冷の仕組みは単純です。

    貯水タンク→ポンプ→発熱部(CPU、GPU)→ラジエーター→貯水タンク

    基本的にこの構造で、発熱部で冷却水が受け取った熱をラジエーターで排出するだけ。
    貯水タンク無しの少ない水量で動くものもあります。ラジエーターの排熱についても、ファンで冷却するものと表面積を大きくして自然冷却するものがあります。

    しかしこれ・・・どこかで見たような・・・
    あぁ、あれだ!

    水槽→ポンプ→ヒーター→水槽

    昔家で熱帯魚飼ってた時と同じだ・・・つーか熱量の安定した常時駆動のPCなんかがあれば熱帯魚飼えそうだね。現実味薄いけど。

    パーツをバラで買って組み上げるのも楽しそうなんだけど、一つ一つのパーツが結構いい値段。ポンプ12K、タンク6K、ラジエーター25K、ヘッドが一つ8Kって感じであっさり6万オーバーになってしまう。
    組み立てキット製品なら、ひと揃えで2万から5万ぐらいのものがいろいろ発売されています。
    PC水冷バリバリ(電触)倶楽部←細かいことはこの辺で。

    いろいろ悩んだのですが、コンパクトなものは大抵ファンがついてます。ファンがついてるということは冷却水の手入れ+ファンの手入れもしなければならないし、またファンがブンブンうるさいといけません。
    というわけで、でかくてもいいからファンレスにしちゃえ!という結論に達しました。
    選んだのはZALMAN RESERATOR-1です。
    巨大なタンク兼ラジエーター兼ポンプユニットに、ホースを繋ぐだけのシンプルなものです。

    選定の理由としては、別のシステムに組み替えたくなった時でも大容量のラジエーターとしていくらでも流用できそうな事、ヘッドを含めての値段が割安だった事、この2点です。
    注文しようと思った時はかなり品薄だったんだけど、それからしばらくしたらあちこちのショップにぽつぽつと入荷されたみたいでした。
  3. 到着


    注文して在庫確認したら2日後にはもうやってきました。かなりデカイ箱です。
    ショップの人が几帳面なのか、箱全体がプチプチで覆われてました。青くてカッコいい箱です。でかすぎてちょっとだけ後悔しましたけどね(w
    だってこんなの置いたら邪魔じゃん(ってぉぃ・・・

    左のほうに並んでるボトルは500mlの精製水(純水)です。薬局に行くと、コンタクトレンズ用に売ってる物です。
    2リットル以上必要だというのは分かっていたので6本(3リットル)用意しました。冷却液として、車用のラジエーター液や、不凍液、防腐剤などを入れる人がいるようです。
    通常、普通の水で良いようなので今回は水だけ入れる事にしました。部屋でこぼしても問題ないし、水を抜かなきゃいけないってことになっても、ベランダで本体ひっくり返して庭にドバーっとぶちまけても水なら問題ないしね。

    水道水はいろいろ入ってるからやめたほうが良いらしいです。あとコンビニのミネラルウォーターとかも、ミネラルとかが入ってるのでやめときましょう(w
  4. 開封


    それではさっそくオープン!
    小箱の方にはビデオカード用のパーツ(一緒に注文しておいた)が入っていました。

    左のオレンジのは「フローインジケーター」とか言うもので、ホースの途中に繋いでおくと真ん中にあるオレンジの“浮き”がゆらゆらして水の流れが分かるらしいです。
    しかしこいつは導入した人たちのレポートを読むと水が漏れると書いてある事が多いので最初から使わない事に決定。

    その上にある金具は取り外しの時などにホースをぴったり閉じるためのクランプです。青いホースは専用の物で、内径が8mm、外形は12mmもあります。
    これだけ厚いとちょっと傷ついても水漏れの危険は少ないです。長さは3mで、変に無駄な使い方をしなければ十分な長さだと思います。



    中央の、ストレートのヘッドが2個入ったものがビデオカード用水冷ヘッドです。Radeon用とGForce用らしいんだけど、どっちがどっちかよくわかんなかった。
    片方をチップセットに流用しようと企んでいたわけですが、実物を見ながら試してみるとスペースの都合上無理でした。まぁCPUとビデオカードが冷えれば良しとしましょう。

    右のブリスターパックに入った丸いのがCPU用の水冷ヘッドです。青で、接触部は金メッキでかっこいい。
    これが空冷ファンのヒートシンクの代わりにCPUにぴったりとはりつき、発生した熱はファンでは無く水によって運ばれるわけです。

  5. 内部配管
    さっそく配管です。
    まずはCPUとビデオカードのファンとヒートシンクを取り外しておきます。
    ビデオカードについては、多分メーカー保証外になってしまうと思うので覚悟を決めてバキット引っぺがします。だいたいビデオカードのファンって口径稼げないからうるさいんだよね。しかもサーミスタ付だったりすると回転数が変化するたびに違う音がして煩いことこの上ないわけです。
    そんな恨み辛みを込めつつ剥ぎ取り、粘着熱伝導シールとかがあったら一旦丁寧に剥ぎ取ります。



    きれいになったら、それぞれの水冷ヘッドを適度に設置してホースの長さを確認します。曲がってつぶれてると水流れないしね。
    今回は「PCIスロット→VGAカード」、「VGAカード→CPU」、「CPU→PCIスロット」の3つです。だいたい現物合わせしながら、ハサミでチョキチョキと。
    適度に切れたら、それぞれのヘッドに配管。
    しかしねー、配管はきつかった。水漏れしないようになってるからなんだろうけど、それぞれの接合部分にホースを入れるのがキツイキツイ。5月なのに真夏日というか、とても暑かったのでもう汗だくになりながら顔真っ赤にして組み付けました。
    仕上がりは写真のとおり。ちょっと見えにくいけど下のところ、左側から入って来た水がすぐさまVGAの上をとおります。それからぐるっとCPUへ行って、そのまま下に帰ってくるという感じ。

    電源はキューブ型用に買った外付けユニットを入れます。この筐体にもともと付属の電源だと、ちょっとCPUへ行くホースに干渉してしまうので・・・まぁ、場所はさらに食うようになりましたが、この電源を使うとさらに無音へと近づくので良しとします。

    左上の、ケース背面穴、写真ではついてないけどここに9cmのファンを付けられるようになっています。マザーボードのファンコントロールを使うとまたうるさくなるので、4ピンの電源から5Vで9cmファンをまわします。こうすると、これも全然音が聞こえなくなります。
    発熱体はチップセットだけになるので温度としては問題ないレベルかな。ただ、もうちょっとケース内の温度を下げたい気もするのでこのファンについてはまだ検討中です。
  6. 外部配管
    こちらはシンプルです。ポンプのIN/OUTの口をそれぞれCPU側/VGA側に繋ぐだけ。
    って、もしかしてFFバリバリ駆動してたらVGAの方が温度高かったりして・・・
    どうしても問題あるようならIN/OUT逆にすればいいよね。



    電源ついてないけど、もうほとんど完成の気分。
    この状態で、短絡(ショート)回避のためマザーボードに付いてるバックアップ用のボタン電池を取り外し、動作チェック。
    青いタワーのテッペンがネジ式のふたになっているので、これをくるくる回してあけて、中に500mlだけ水を注入しました。

    そしていよいよスイッチON!

    耳を澄ますと、かすかにヴヴヴヴ・・・とポンプの動作音が聞こえます。ホースをさわると微妙に振動してます。
    塔の中を覗くと、ポンプが吸い出した水がその勢いで水面を盛り上げているのが見えます。
    おお!動いてるよ!
    まぁはっきりと知るべくも無いんだけど、感触としてはちゃんと流れているようです。

    ここで喜んで電源ONして水漏れしたら大変なことになるのでじっと我慢。単純なミスがない事を確認した上で、水の量を1.5リットルまで増やし、ポンプのみ連続運転して小さな水漏れが無いかチェックする事にしました。
    そのまま2、3時間放置してたかなぁ。大丈夫そうなのでいよいよ本体を稼動させる事にしました!
  7. 完成
    ケースファン、電源を組み付けて電気系統も完成です。写真は新たなPC設置スペース。
    ホントは右側に写ってる棚に納まってたんだけどね。



    それにしても圧倒的な存在感です。なんだよこれ!でかすぎ!(w

    それではさっそく、ポンプスイッチON、PCスイッチON(連動してない。PCだけONして放置しておくとどんな事になるのやら・・・)
    カラカラカラ・・・とほとんどハードディスクの音しかしませんよ!かなりいい感じ。
    静かだ~、この静けさこそ僕の求めていたものですよ!やはりスペック、スペース、静音、と3つの要素を並べてみた時、現状どれか一つは犠牲になる運命なのです。多分。
    いや、それこそPentium Mのデスクトップ用なんかが出てくれたら問題なくなるのかもしれないけどね。

    兎も角、温度上昇が気になるところです。ベンチマークソフトをループにしたままひたすら放置。30度近い室温の中、5時間ほど負荷をかけつづけました。
    それをマザーボードの計測機能を使って計測してみました。
    CPU温度47~50度
    チップセット温度47~50度

    あれ?チップセットが・・・やっぱり自然冷却だからかなぁ。
    飽和した状態で、2、3度の揺れがありますがそれ以上温度が上がっていく気配はありません。実用上5時間以上高負荷で連続稼動する事も無いだろうし、まずまず問題ないところでしょう。
    それにしても水冷、効いてます。青い巨塔はいい感じに温かくなってますけどね。+20度で安定するとすれば、外気温40度くらいで動かしても大丈夫そうです。ありえないけどね。

    現状のパーツでは、とりあえず完成です!
    かけた手間の分の性能になったと思います。課題としてはチップセットとHDDのエアフローぐらいかな~。両方とも水冷ヘッドつけて解決というのもいいかもしれません。

    あとは外に出てるホースにネコがじゃれ付いたりしない事を祈るばかりです。