2008/10/30

ライラの冒険 第2部「神秘の短剣」


フィリップ・プルマン氏著『ライラの冒険 第2部「神秘の短剣」』読了。
文庫の上下巻、一気に読んでしまいました。

第1部でちりばめられた謎を、うっすらと想像できるようなレベルで補強したり匂わせたりされます。推理する感覚がとても楽しい。また、前作同様に翻訳の文章も素晴らしいです。
今作は前回のファンタジーっぽさを引き継ぎつつ、守護精霊『ダイモン』のいる世界と、現実の地球の世界、その中間の世界と複数が舞台になっていました。
主人公である、地球人の少年ウィルは、達観しつつも冒険心に溢れていてなかなかいい感じです。ライラは相変わらず口先だけで切り抜けていくキャラで面白い。
タイトルになっている『神秘の短剣』はライラの持つ『真理計』と同様、非常に強力で重要な役目をもつアイテムであり、読んでいてときめきます。
物凄く壮大な話です。3作目を読むのが楽しみ。映像化されるのも楽しみです。

2008/10/28

帰国してます

えーっと、ブログ更新しないとなんだかハワイに行きっぱなしみたいなので書いておきます。
26日に無事帰ってきました。
27日の朝から通常勤務してます。なんかちょっと眠かったりします。そんなに時差はないんだけどね。


写真は、このー木なんの木きになる木。モンキーポッドという種類だそうです。
この、モアナルアガーデンという公園は現地に住む、あるお金持ち個人の持ち物だそうで、売るとかなんとかいう話になったときに日立が年間5000万円近く出して維持してもらうことになったとのこと。
CMの撮影は12回も来たんだそうです。毎回同じアングルで撮っていくらしい。ちょっと枝が伸びたりしてるんだろうな。
ものすごく大きかったです。枝が前後左右に広く伸びていて、一番外側にだけ葉っぱがついているのでドームのようでした。
思い返すと今回の旅行で一番良かったポイントだったと思う。

ハワイ、良いけどやっぱり飛行機がちょっとめんどくさいね。飛行機乗るときとか、入国手続きとかあの辺が。あと、飛行機の座席、一番窓側になってしまうとトイレに行くときがやたら面倒だった。

でもそうは言っても『南の島』ってのは良いものです。なんか数年に1度くらいは行ってもいいのかなーとも思いました。とりあえず帰国の報告でした。

2008/10/25

ハワイその2

昨日は部屋のネットが使えませんでした。
なんだか日付の感覚がすごくあやふやです……戻ってちゃんと仕事とか出来るのだろうか。

これは初日の写真。タンタロスの丘という観光ポイントで絶景です。
常にものすごい風が吹いているとのことで、僕が行った時も例外なく嵐のような風が吹き荒れていました。髪の長い人たちは漫画みたいにぶわーっとなってました。


これはカメハメハ大王像。
午後の日差しは殺人的です。1時間もまともに焼いたら大変なことになるらしい。


空いた時間は街で買い物ってことになるんだけど、やたらあちこちにあるのがABCストア。
おみやげやさん+コンビニという感じの品揃えで、サンドイッチやペットボトルのお茶やジュース、薬や洗剤なんかが売っています。
便利なので最近では地元の人も使っているらしい。チェーン店なのに数十メートル離れたABCストアとでも品揃えや値段が違っていたりします。適当なのかな。

明日25日(日本の26日)に帰ります。来る時の飛行機はパイロットの腕が良かったのか、新幹線のような静かさだったんだけど帰りはどうだろう。長野、遠いなあ。

2008/10/23

ハワイ

弟が結婚式をハワイであげるなんてことを言い出した。
そんなわけで

空港。
飛行機ぜんぜん寝れない。狭すぎなんだよなあ。
映画がいろいろ放映されていたので、『ハンコック』を観てきました。すげー面白かった。

そしてハワイ。
暑いです。32度とか(笑)
これから3泊していきます。

2008/10/07

キノの旅


時雨沢恵一氏著『キノの旅』1巻読了。
主人公のキノと、バイクである相棒のエルメスがいろいろな国を訪ねるお話。
訪れる「国」がおそらくそれぞれ町程度の大きさであることと、キノが「1つの国には3日しか滞在しない」と言うルールを自らに課していることから、1つのお話イコール1つの国になっていて、それぞれかショートショートといってもいいような文章量です。
一つ一つの話はイソップ物語のようなうっすら教訓めいた内容なんだけど、多分それぞれの国の変わった状況に読者を放り込んで楽しませるというのがメインなんだろうなと思います。
キノとエルメスの二人がハッキリしたキャラクターで、安心して読めます。ちょっとした裏設定なんかも段々と見えてきて、先を読むのもちょっと楽しみです。

2008/10/06

魂の駆動体

神林長平氏著『魂の駆動体』読了。
僕自身あまりクルマと言うものに興味が無いので、勧められていなければ読まなかったであろう一冊です。

物語は、自動車が自動運転に切り替わり、一部の人間が肉体を捨てて仮想空間に移住し始めている未来が舞台。

主人公とその友人は老人ホームで気ままに暮らしているのですが、あるきっかけから「自分で運転するクルマ」の設計にとりかかります。
自動車の設計に関する詳細な描きこみそのものもなかなか興味深く読めるのだけど、ハードウェアに対するこだわりを綿密に表現することにより、逆にこのストーリーのテーマである「魂」や「意識」といったものについて深く考えさせられる気がしました。

イメージにこだわる主人公と理屈っぽい技術屋などが粘り強く意見をぶつけ合い、ケンカしながら設計していく様子はすごくリアルで楽しい。
クルマという複雑な機械を作り上げていく様子、エンジンの繊細さや力強さ、走ることについての思いなどなど、ちょっと厚めの本だったけど一気に読めました。
中盤からは読者があっと驚くような展開も待っています。読んでよかったと思える一冊でした。

2008/10/01

老ヴォールの惑星

小川一水氏著『老ヴォールの惑星』読了。
SF短編集で、4作品が収録されていました。

『ギャルナフカの迷宮』というお話が特に気に入りました。
最低限の食料と水のみが与えられた、果て無き迷宮に閉じ込められた人々の話。極限の環境に置かれた人々がどう行動していくのか。
はじめは迷宮の中で出会う人々は、他の人間に会うと石を武器にして牽制しあうような状態です。
自分の命をつなぐために猜疑心に満ち溢れた世界になっているのですが、主人公の行動によって段々と変化していきます。
とても力強く、感動的な終わりでした。面白かった。

最後に収録されていた『漂った男』も良かったです。
たった一人で助けの来ない状態、ただ通信機だけがあって会話が出来るという状況。
SF的要素を使って特殊な状況を作り出して、そこに放り込まれた主人公がどうなっていくのかといったお話の組み立てで、とても引き込まれました。
自分ならどうするだろう、と考えるのがまた楽しい。

他2編も良かったです。『時砂の王』もそうだったけど、これぞSFだっていう感覚が良い。他の作品も楽しめそうです。