須川邦彦著『無人島に生きる十六人』読了。
会社のT君が図書館から借りてきてあったのを、休み時間を使って読んでしまいました。
読むのが早すぎる→仕事中に読んでたんじゃないですかという疑惑を持たれましたが誓ってそんなことはありません。
記録小説のようであり半分子供向けのようでもあり、とても読みやすい上面白かったです。
明治時代にあった実話が元になっている、遭難して無人島に漂着した16人の日本人のおじさんたちのお話です。
ちょっと古めかしい文章で語られる、無人島での生活。生き残るために決められたいくつかの規則の最後の項目に「愉快に暮らしていこう」というのがあって面白い。
海亀をひっくり返して捕まえたり、井戸を掘ったり、見張り台を作ったりと無人島での生活を確実に作り上げていく様子が読んでいてわくわくします。
全員が協力して一つ一つ確実に問題解決にあたっていく姿は、明治時代の日本人はこんなだったのかなと想像させられます。きっちりしているようでどこかのんびりしている雰囲気が面白い。
アザラシと仲良くなるエピソードからエンディングに向けてはホロリときました。
『十五少年漂流記』とか『蝿の王』、『ロビンソン・クルーソー』など漂流を題材としたお話で名作といわれるものはたくさんあるけれど、『無人島に生きる十六人』はそれらに負けない、和製漂流記だと思います。
爽快感があって楽しかった。
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