2008/09/11

時砂の王

小川一水著『時砂の王』読了。
SFファンタジーを読んでいてこれほど魅了された作品は今まで無かったかもしれない。読み終わってまた最初から読み始めています。

物語は26世紀、宇宙開拓を進めていた人類と、そこに襲い掛かった謎の生命体との戦いから始まります。
壊滅的なダメージを乗り越え攻勢に転じた人類は、敵が歴史改変のため過去に旅立ったことを知ります。主人公のオーヴィルは、過去へ向かってその時代の人間達と共に敵と戦う使命を持って生まれた『メッセンジャー』という存在でした。

メッセンジャー達は人類そのものを救うために、戦闘と時間遡行を10万年にも渡って繰り返していきます。一度過去へ移動してしまうと時間の枝分かれが出来てしまい、未来へ移動したとしても二度と元いた世界には戻れない。
その絶望的な状況を、オーヴィルはたった4ヶ月ほどで作った思い出を糧に戦っていきます。
練りこまれたSF的設定や常に緊張感のある戦闘の描写だけでもとても魅力的な小説なんだけど、それ以上に感情に訴える何かがあると思いました。孤独とか、愛情とか、いろいろと考えされられるお話です。

ページ数は意外と少なくて、読みやすいです。今、これ以上のお勧めはありません。