2008/08/05

乙一『ZOO』

乙一氏『ZOO』読了。
短編集で、短めのお話が何篇も収録されています。
最初の話の「カザリとヨーコ」がいきなりとても面白かった。家庭内のイジメがテーマなので、なんとなく初期のハリーポッターみたいな雰囲気があります。
ストレスを受けて受けての最後の破滅的な展開がすばらしい。
他に「陽だまりの詩」というお話がなかなか感動的でした。人類滅亡後の世界で(相変わらず人類滅亡ネタ大好き)、最後の生き残りの青年と彼が作ったロボットの話。
主人を埋葬するために作られたロボットである主人公は、やがて死を理解していきます。その過程が丁寧に描かれていました。
最後のハイジャックのお話は読んでいて楽しかったな。生死を賭けた緊張感の中、妙に気の抜けたコミカルな会話が続いていきます。ラストシーンもビックリしますよ。

その他の話もそれぞれとても面白くてなかなか読み応えのある一冊でした。

これで手元にあったものは一通り読み終えてしまった。乙一作品は独特の雰囲気でハマれますね。泣かせる話も良いし、SF的設定も面白いし、猟奇系の作品も嫌いじゃなければ楽しめる。
短編が多く読みやすいのでおすすめです。

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