2008/05/12

乙一『暗いところで待ち合わせ』


乙一氏作、『暗いところで待ち合わせ』読了。
いい加減飽きないのかと言われそうなほどの乙一作品追いかけ月間が続いています。多分あと3、4冊あるのでもういっそ一通り読んでしまおうかと思ってます。

これは、逃亡中の殺人事件容疑者が盲目の女性の家に身を隠すというお話です。
事故で視力を失ったミチルは、家の中でひたすら静かに暮らしています。そこで警察から逃れたアキヒロが、部屋の隅で音を立てないようにして潜んでいるのです。
同じ部屋にいて、見えるところに居ながら隠れている、というのはとてもスリリングでした。
二人のそれまでの人生が交互に描かれていき、殺伐としてしまいそうな状況も穏やかな雰囲気になっています。

これまで読んできた同氏の作品は、「これはちょっとひねりすぎだろ」と思うほどトリッキーな仕掛けがしてあることが多いように感じたのですが、この作品は落ち着いた感じですごく良かったです。
なんかねぇ、少し弱い登場人物たちがちょっとだけ前に進もうとかそういうのです。じんわり来ます。