2008/01/21

佐伯泰英 『寒雷ノ坂』


佐伯泰英 著『寒雷ノ坂』読了。
『陽炎の辻』から続くシリーズの2作めです。バリバリの時代小説。

江戸時代はいいなー。読んでると行ってみたくなる。なんと言っても中世ファンタジーですから。
しかも、ここまで練りこまれたファンタジーというのは普通読めない。グインみたいにどんなに巻数を重ねても、指輪みたいに言語まで作りこんでも、ここまで生活感にリアリティーがあるファンタジーっていうものを作るのは難しいだろうなと思うのです。まあ実在した世界なので当たり前なのかもしれないけど。

なんか漠然とした視点だと、江戸時代というとおサムライが農民から年貢を取り立てて苦しめていい思いをしているという北斗の拳的な感覚しかなかったりするわけですが(そんな貧相な江戸イメージは僕だけ?)、あとはなんかエチゴヤ的な悪い商人がいて賄賂をわたしてるとか。

しかし時代小説読んでるとサムライの人たちは殿様を社長にして治安や防衛、都市計画や農地の整備・開墾などなど、想像以上に複雑な会社運営をしていたようでなかなか興味深い。
商人達などは為替取引やら先物取引やらをやっていて、ツールが紙と筆しかないだけで結構現代と変わらない市場感覚を持っていたんじゃあないかとまで思ったりします。

お話のほうですが、1巻で不運なきっかけにより友人同士斬りあって生き残り、貧乏浪人として江戸に住み始めた主人公の坂崎さんがいろいろな事件を解決していくといった内容です。
坂崎さんの誠実なキャラと独特な剣術の描写が気持ちよく読めます。
細かなエピソードを重ねていくうちに、友人を斬らなければならなくなった出来事が偶然ではなく、大きな陰謀によることがわかってくる……といった展開でした。

すごく盛り上がってきたので続きが読みたい!だけど他にもいろいろと読みたいものが。
1日有給とって「精神と時の部屋」に入りたい。