2008/08/11

栗本薫『グイン・サーガ122 豹頭王の苦悩』

前作があまりにひどかったので、今作は借りて読みました。
しかし作者さん、重病なのに書くスピードはあいかわらず速い。週刊誌みたいだ。

122巻は前の巻で出た批評をちょっと逸らそうとしたようなイメージでした。「王妃を悪者に表現しまくったけど、王妃からしたらこうだったんだよ」みたいなフォローをした雰囲気。
正直121巻と合わせて1冊にまとまる内容だったんじゃないのかなと思う。旅芸人編から闘技場編のあたりが物凄く面白かっただけに、同じ話を延々と垂れ流していて3ページぐらい飛ばして読んでも問題ないぐらいのぐだぐだっぷりはダメじゃないかと思う。
それでも最後の数ページはちょっと良かったかなあ。続きが気になる展開はいつもながら巧いです。

そういえばなにやらグインサーガ、アニメ化されるんですね。
どうなんだろう、全般的に鬱々とした話が多いし、今人気が出そうな要素は少ないし、あんまりアニメ向きじゃないような気がする。でも動いてるグインは見てみたい。期待しすぎない程度に楽しみしておきたいと思います。

養老孟司『バカの壁』

養老孟司氏『バカの壁』読了。
解剖学者である養老先生が、思うままに喋った内容を本にしたというもの。2003年のベストセラーで、当時買ったんだけどいまいち没頭できず放置してあったのです。
久々に引っ張り出して最初から読んでみたらこれが結構面白い。話をまとめたという形式であるせいか、話題が飛びまくってますが一応一貫したテーマがあります。
そのテーマが『バカの壁』なんだけど、噛み砕いて言うと「雑学として知っている」ことと「理解している」ということは違うんですよ、ということでしょうか。現代社会は情報化社会でなんでも出来事が伝わるけど、実感として飲み込めないまま解った気になっている、と。
もっと自分でいろいろ理解しようとしていかなきゃダメですよって言いたいんだな、と僕は受け止めました。

なかでも面白いなと思ったエピソードは『個性』の話。均一を目指して教育しながら「個性を伸ばせ」って言うのは変なんじゃないの?という問題提起がありました。
そもそも人間、素の状態でスペックが違っている。隣の人とお前を見間違えるなんてことは無い。個性というのは元からあるもので、むしろ他人こそ理解できないものであるとのこと。だから「他人と協調しよう」という教育をしていくべきなんじゃないのか、という主張をしてました。

確かになんか最近いろんな企業の偽装事件なんかを見てると、もっと協調性というか、優しさというかおおらかな心みたいなものがどこかにあればこんな風にはならないんじゃないかなーと思う。
まずは会社が独善的に利益を追求した結果、不正をし始める。これ、社内で「まずいんじゃないの?」とかそういう話になってれば事件にはならないはずなんだけど、個人主義だから協力して改善しようってことにならない。
で、誰かが内部告発しちゃう。告発って多分悪いことじゃないんだろうけど、なんかそうする前に話し合いとかできないのかな?とか思ってしまう。
で、事件になって表に出たらマスコミが社会的背景も考えずに叩きまくる。どうしたら良くなるか、今後同じ問題を
起こさないためにはどうすればいいのかっていう議論はぜんぜん無くて、とにかく「こんな悪いことしてた」「こんなことを隠してた」っていう報道をしまくるわけです。
なんかどこをとってもギスギスしていて、いやな世の中だなぁという感じがするんだよね。

まあこんなこと言いながら、自分には協調性というものはあんまりありませんけど……。

経済の話も興味深かった。数字を動かしているだけの『虚の経済』が巨大になっていてそちらが世界を動かしているみたいになってるけど、やっぱり物をやりとりするための『実の経済』を大事にしなきゃいけないんじゃないかという話。
『虚の経済』とは『花見酒経済』というやつで、酒樽を囲んで熊さんが八つぁんにお金を渡して一杯飲み、今度は八つぁんが熊さんにお金を渡して一杯飲み、とやっていると見た目上お金は回ってるんだけど実際のリソースはどんどんなくなっていくだけでいつか破綻するというもの。
この本が出た頃はガソリン高騰なんて話は全く無かったと思うんだけど、現在の石油事情を考えるとうすら寒く感じるところであります。

この本、某ネットショップの書評がいまだに良評価と悪評価で更新され続けています。どう受け止めるかの差こそあれ、なかなか考えされられる良い本なんじゃないかなと思いました。

2008/08/07

AVR入門 その2

AVR入門 その1の続きです。

前回作成の低速ライターを紹介したページに、AVR910互換ライターというのがあって簡単そうだったのでこれを作る事にしました。

材料:
USBシリアル変換モジュール(前回のを使いまわし)
ICソケット(20pin(AVR用)、24pin(USBシリアル変換モジュール用))
10MHzのセラロック
ピンヘッダ(6pin)
ATTiny2313

1)回路作成
前回同様USBシリアル変換モジュールを使いました。楽なので。

今回も、モジュールは直接ハンダしないでソケットを使います。
CPUであるATTiny2313も、書き込みのためには前回製作のライターに挿す必要があるためソケットを使います。ソケットは向きを間違えないように注意です。
まあ間違えても爆発とかしないけど。触るとめちゃめちゃ熱くなってたりはしますけどね。

2)ファームウェア書き込み
AVR910互換ライターのページ、『ファームウェア』の項目の『改変したファームウェアのソース(avr_prg2.lzh)』をダウンロードし、コンパイルします。
すると、avr_prg.hexが得られます。(←これをメモ帳にコピペしてavr_prg.hexという名前で保存してもOKだと思う)

C:\avreggとか言う感じに作業フォルダを作り、前回ダウンロードしたavrsp_egg_050629.lzhを解凍して保存します。さらに先ほど作ったavr_prg.hexも入れておきます。

コマンドラインを起動して、作業フォルダへ移動します。前回製作のライターにATTiny2313をセットします。
コマンドラインで、書き込みプログラムを起動します。
c:\avregg> avrsp avr_prg.hex -pv3
↑最後の -pv3のところはポート番号なので、デバイスマネージャとか見ながら自分で繋いだのが何番になってるか調べてその番号を入れます。
時間かかるけどひたすら我慢。あー、でも30分もかかって終わらなかったらなんか前回製作のライターが間違ってるとか壊れてるとかしてそうなのでいろいろチェックしてみてください。
すぐエラーでとまる時なんかも、回路どこか作り間違いしてるかと思われます。

次にもう一つこのコマンドを打っておきます。
c:\avregg> avrsp -d40 -fL11011101 -fH11011101 -pv3
これはヒューズビットの書き換えということをやってます。具体的にはここで外部クロックを有効化してます。

3)書き込み済みCPUを回路に組み込む

2でライターファームが焼かれたCPUが出来たので、こいつを1で作った回路に組み込みます。
と言ってもソケットに挿すだけでいいのかな?

ここまでで『AVR910互換ライター』ハードウェアが完成です。


4)使い方
ソフトウェアは avrdude-GUI (yuki-lab.jp Version) ←こちらのページからダウンロードしました。
『avrdude.exe Version 5.5 実行バイナリ』が最低限必要です。これと『avrdude-GUI Version 1.0.4 実行バイナリ』を両方ダウンロードして使ってます。

とりあえず両方ダウンロードして適当なフォルダに展開します。
『AVR910互換ライター』ハードウェアをPCに接続し、ライターには書き込みしたいAVRマイコンを接続します。

avrdude-GUI.exeを起動すると、なにやらそれっぽいアプリが起動します。この『avrdude.exe File』にavrdude.exeへのパス、『Programmer』に『Atmel Low Cost Serial Programmer (avr910)』を設定します。
『Port』には実際の使用ポートを入力し、『Device』にはライターに接続した書き込みしたいCPUの型番を指定します。


動作確認には、『Fuse』のReadボタンを押してみるのがいいと思います。ヒューズビットが読み込めたら成功。
これで完成です。



参考:簡単に焼けるようにこんなのを作りました。
写真左側20pinに揃えて置くとATTiny26、右側に揃えて置くとATTiny2313、下のソケットではATMega88が焼けるようになっています。


プログラムの開発環境はAVR StudioとWinAVR、2つのソフトを解説サイトを見ながらインストールすればOK。両方とも無料で公開されています。

ここまでくれば、“自分で作って遊ぶための下準備”が出来たことになります。1500円ほどでここまで揃えられるのはなかなか素晴らしい。
先日ATTiny26Lで作ったLEDメーターなんかもこのライターで焼いて作ることができます。
こいつでまたなにかいろいろ作っていけたらいいなー。